高圧基礎知識
電力用語集
項目 | 概要 | 概説 |
---|---|---|
基本料金 | 電気の基本料金とは、電力会社が契約プランごとに設定した固定料金で、電気の使用量に関わらず毎月支払う料金です。 | 電力会社やプランによっては基本料金ではなく「最低料金」とするケースもあります。 |
契約電力(kW) | 電力会社と契約している上で使用できる電力量の上限です。 | 契約電力とは、毎月使える電力量の上限のことです。 企業(低圧・高圧電力)の場合、上限を超えて使ったとしても電気を止められるわけではありませんが、超過した分だけ翌月以降の契約電力が上がることになります。 契約電力が500kW未満の「高圧小口」の場合は、直近12か月の最大使用電力量で決まる「実量制」。500kW以上の「高圧大口」「特別高圧電力」では、電力会社との協議で決まる「協議制」になります。 |
力率(%) | 力率85%を基本として1%改善するごとに基本料金を1%ずつ割引するという施策を取っています。力率とは、電源から利用者に届けられた電力のうち、実際に消費された電力(有効電力)の割合を指します | 電源から送り出したにもかかわらず、消費されなかった電力(無効電力)には請求できません。そのため有効電力の割合である力率が一定以上の利用者には、「力率割引」という形で基本料金を割り引く仕組みがとられています 反対に、力率が一定水準以下の利用者には、「力率割増し」として基本料金を割り増しにしています。 |
使用電力量(kWh) | 料金単価は、1kWの電力を1時間使用した場合の電力量を示す「1kWh」を基本の単位として設定されています。 | 電気をたくさん使えば、その分電力量料金が上がり、その月の電気料金の請求額は高くなります。 |
燃料調整費 | 火力発電に使用する燃料の価格変動に応じて、毎月の電気料金を調整する金額です。 | 燃料の大部分を海外から輸入しているため、燃料価格が高騰すると電力会社の負担が大きくなります。燃料費調整制度により、燃料価格の変動を自動的に電気料金に反映させることで、電力会社の負担を軽減し、毎月の電気料金を安定させることができます。 |
容量拠出金 (安定供給維持費等) | 電力不足を解消するために発電所設備の維持にかかるコストを請求する項目です。この項目を、既存の項目に含めて請求しない会社と、項目を設定して請求する会社があります。また、請求の計算式はそれぞれの会社ごとに様々です。 | 2024年4月から負担が開始。電気料金項目の有無にかかわらず、電気を使用する国民全員がこの供給力コストを負担することになります。発電事業者の事業収入安定化を促し、電気の安定供給や価格安定化につながります。 |
託送料金 | 電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金として一般送配電事業者が設定するものです。 | 送配電部門の人件費や設備修繕費、減価償却費、固定資産税、電源開発促進税、賠償負担金、廃炉円滑化負担金などが含まれており、電力自由化に伴い、小売電気事業者が送配電事業者に支払うようになりました。 |
管理費 (供給管理費、管理手数料等) | 各電力会社がエンドユーザーに供給するための手数料です。通常、市場連動型プランを提供する場合に設定し、請求する項目です。 | 各電力会社の運営費になります。 各電力会社により管理費用単価は様々です。 |
調整費 (調達調整費、電源調達調整費、独自燃調費等) | 日本卸電力取引所(以下「JEPX」)の電力取引価格に連動して電気料金を調整する金額のことです。 | 各電力会社の定める基準値を下回る場合は電源調達調整費がマイナスとなり、上回る場合はプラスとなります。 電源調達調整費は各月の電源調達調整単価に使用電力量を乗じて算定します。請求還元基準値は各電力会社、各エリアごとにそれぞれ異なります。 |
離島ユニバーサルサービス調整単価 | 離島に電気をお届けする際に、火力燃料費の変動を託送料金に反映して調整した単価です。 | 2016年4月以降に一般送配電事業者が義務付けられている制度で、離島の需要家に対して本土並みの料金水準で電気の供給を行うことを目的としています。この制度では、離島のお客さまに届けられる電気の燃料費にかかる変動を、託送料金を通じてすべてのお客さま(本土・離島)から回収する仕組みとなっています。 |
JEPX (Japan Electric Power Exchange) 一般社団法人日本卸電力取引所 | 発電事業者と小売事業者間の電力売買の仲介をする組織です。JEPXが設立されたのは2003年で2024年6月末現在で305社、特別取引会員9社が参加しています。 | JEPXでは、1日の電力を30分単位で分割し、48個の商品として取引が行われています。取引市場には、「スポット市場」(一日前市場)や「当日市場」(時間前市場)、「先渡市場」、「分散型・グリーン売電市場」などがあります。JEPXの取引量は一貫して増加しており、2022年8月末時点で我が国電力需要に占めるシェアは43.7%に到達しています。 |
高圧契約電力の決め方
契約種別

実量制と協議制
〇実量制:契約電力500kW未満の低圧・高圧小口
実量制は、契約電力が500kW未満の高圧小口を対象とする契約方式です。直近12カ月の使用電力量のうち、もっとも高い月の数値(kW)が契約電力として設定されます。

例えば、毎月の使用量が上記のような場合、使用量がもっとも多い8月の数値が向こう1年にわたって契約電力(320kW)になります。
また以下のグラフのように、仮に翌年8月の最大使用量が300kWになったとします。
するとこの時点から直近12カ月のなかでは、2月の使用量が最大使用量になるため、契約電力は310kWに下がることになります。

毎月の最大使用量はどのように決まるかの仕組みは次のようになります。
•その月のなかで、30分ごとの平均使用電力量を計測
•もっとも使用量の多かった時間帯の数値(最大デマンド値)をその月の最大使用量としてカウント
具体的な仕組みは1日24時間を30分ごとに区切ると、48回の枠があることになります。仮に30日間の月であれば、48回×30日=1,440回の枠が出てきます。この1,440回の枠のなかで、30分ごとの平均電力使用量がもっとも多かった枠の値が、その月の最大使用電力量になります。
〇協議制:契約電力500kW以上の高圧大口・特別高圧
協議制は、契約電力が500kW以上の高圧大口・特別高圧を対象とする契約方式です。
この制度では、1年間のデマンド値が基準として、協議によって契約電力が決定されます。協議制の流れは、実量制と同様に12カ月のデマンド値を算出したあと、「使用する設備の負荷」「受電設備の内容」「同一業種の負荷率」などが考慮され、詳細が定められます。
基本的な決め方は実量制と類似していますが、高圧大口以上の需要家は配電用変電所を通さない電力網から直接電力供給を受ける仕組みです。そのため、停電や事故時の影響が大きい可能性があります。協議制度では、法人ごとの状況が検討されたうえで協議が行われ、最終的な電力契約が決定されます。
託送料金の違い
電気をユーザーに届けるために、小売り事業者は送配電事業者に託送料を支払います。1kW・1kWhに対して料金が決まっており、どの小売り事業者も同じ料金を支払います。
【参考例】エリア別託送料金(1kWh)(2024.4現在)
エリア | 低圧(電灯) | 高圧 |
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北海道エリア | 7.90円 | 2.17円 |
東北エリア | 8.58円 | 2.08円 |
東京エリア | 7.48円 | 2.37円 |
中部エリア | 7.91円 | 2.21円 |
北陸エリア | 6.83円 | 1.76円 |
関西エリア | 7.62円 | 2.29円 |
中国エリア | 9.09円 | 2.43円 |
四国エリア | 8.82円 | 2.01円 |
九州エリア | 7.87円 | 2.61円 |
上記のとおり、託送料金の差額分が削減につながるため、高圧電力の方がより削減が可能になってます。
設備の比較(低圧·高圧)
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図は、低圧と高圧の変圧設備の違いを表しています。自前のキュービクルで変圧するのが高圧、電線に附帯してある変圧器であらかじめ変圧されるのが低圧です。
高圧・特別高圧新電力での削減方法
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