省エネ器材の導入

 「省エネ器材の導入」によって比較的高額なコストがかかるものの、中長期的な節電効果が期待できる手法について解説します。また、初期投資額の回収にかかる目安年数や、自治体などの補助金・助成金を活用できる可能性についても記載します。

高効率空調システムの導入

概要: 高効率の空調システム(例:インバータ型エアコンや冷暖房の一括管理システム)は、従来の空調機器に比べて消費電力が大幅に削減されます。特に大規模なオフィスビルや商業施設などにおいて、空調の運転費用が大きな割合を占めるため、効率的な空調機器に切り替えることは非常に効果的です。

初期投資額: 空調設備の入れ替えには数百万円から数千万円の初期投資が必要です。施設の規模や既存設備によって金額は異なりますが、大規模な設備であれば1000万円以上の投資が必要なこともあります。

節電効果: 高効率機器に切り替えることで、消費電力が20%~40%程度削減できることが一般的です。

損益分岐点(回収年数): 回収期間はおおよそ4~7年程度です。初期投資額が大きいため、回収までに時間がかかりますが、長期的には安定したコスト削減が見込めます。

補助金・助成金: 日本の自治体や国のエネルギー効率向上に関する補助金・助成金を活用できる場合があります。例えば、「省エネ設備導入促進補助金」や「エネルギー効率改善のための助成金」などが利用可能です。自治体ごとに支援内容は異なるため、事業所所在地の自治体に確認するとよいでしょう。

電力の需給管理システム(EMS)

概要: エネルギー管理システム(EMS)は、施設内の電力消費をリアルタイムで監視・管理し、最適なタイミングで電力を使用することで、無駄な消費を削減するシステムです。特に高圧電力を利用している大規模施設では、EMSを導入することで、ピーク電力を削減し、電力料金を削減することができます。

初期投資額: EMSの導入には数百万円から数千万円の初期投資が必要となります。施設の規模や必要な機能により、導入コストが変動します。

節電効果: EMSにより、電力消費のピークシフトや最適化が可能となり、20%〜30%の電力削減が期待できます。また、無駄な消費を防ぐことができ、エネルギー効率を向上させます。

損益分岐点(回収年数): EMSの回収期間は2〜5年程度です。大規模な施設であれば、早期に投資回収ができる場合があります。

補助金・助成金: EMSに関しても、省エネルギー支援策を活用できる場合があります。自治体や政府が提供するエネルギー効率化促進のための補助金が利用可能です。

LED照明への全面切り替え

概要: 従来の蛍光灯や白熱灯を、エネルギー効率の良いLED照明に切り替えることで、消費電力を大幅に削減できます。LEDは非常に長寿命であり、メンテナンスコストも低いため、総合的なコスト削減に寄与します。

初期投資額: 一般的に、1000平方メートル程度のオフィスや商業施設の照明をLEDに切り替える場合、初期投資額は数十万円から数百万円程度です。

節電効果: LED照明に切り替えると、消費電力は最大で80%程度削減できる場合があります。例えば、1000Wの蛍光灯を100WのLEDに交換することで、大幅な電力消費の削減が可能です。

損益分岐点(回収年数): 初期投資額に対する回収期間は2~4年程度が一般的です。LED照明は長寿命であり、交換頻度が少ないため、長期的には非常にコストパフォーマンスが良いです。

補助金・助成金: : LED照明の導入に際しても、補助金や助成金が活用できる場合があります。例えば、「省エネルギー設備導入支援事業」や「企業向け省エネ支援補助金」などを通じて助成を受けられることがあります。

自動照明制御システムの導入

概要: 自動照明制御システムは、部屋の占有状況や外部の明るさに応じて照明を自動で調整するシステムです。無駄な照明を減らし、必要なときにのみ照明が点灯するようにすることで、大きな電力削減が可能です。

初期投資額: 自動照明制御システムの導入には、施設の規模やシステムの複雑さに応じて数十万円から数百万円程度の費用がかかります。

節電効果: 自動調整により、照明の使用時間を最大で50%程度削減できる場合があります。特に広いオフィスビルや商業施設、工場などで効果的です。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は1~3年程度が目安です。設置後すぐに節電効果が現れ、早期に投資回収が可能です。

補助金・助成金: 照明の効率化に関しても、エネルギー効率を向上させるための補助金や助成金が利用できる場合があります。これにより、初期投資の一部を補助してもらえる可能性があります。

高効率冷蔵庫・冷凍庫の導入(飲食業や小売業向け)

概要: 飲食業や小売業などで使用される冷蔵庫や冷凍庫は、大きな電力消費源となっています。高効率の冷蔵庫や冷凍庫に切り替えることで、運転コストを大幅に削減できます。また、インバータ制御技術を取り入れることで、冷却効率が向上し、エネルギー消費が削減されます。

初期投資額: 冷蔵庫や冷凍庫の入れ替えには数十万円から数百万円の投資が必要です。規模により異なりますが、小規模な店舗であれば数十万円、大規模な店舗であれば数百万円となることもあります。

節電効果: 高効率機器への交換により、消費電力が10%~30%程度削減されることがあります。特に24時間稼働する冷蔵庫や冷凍庫では、効果が顕著に現れます。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は3~5年程度が目安となります。冷蔵庫や冷凍庫の消費電力は非常に大きいため、早期にコスト削減の効果が現れます。

補助金・助成金: 冷蔵庫や冷凍庫の省エネ化に対しても補助金や助成金が利用できる場合があります。「飲食業向け省エネ支援事業」や「エネルギー効率改善助成金」などが活用できることがあります。

業務用インバータ型エレベーターの導入

概要: 業務用エレベーターの省エネ化には、インバータ制御を搭載した最新型エレベーターを導入することが効果的です。従来型のエレベーターに比べ、インバータ型エレベーターは無駄なエネルギー消費を削減し、運転効率を向上させます。

初期投資額: インバータ型エレベーターの導入には、数百万円から1000万円程度の初期投資が必要です。施設の規模や使用頻度によってコストは異なります。

節電効果: インバータ型エレベーターに切り替えることで、消費電力が10%~20%程度削減できます。特に高層ビルなどでエレベーターを多く使用する場合、かなりの節電効果が期待できます。

損益分岐点(回収年数): 回収年数は5~7年程度が一般的です。

補助金・助成金: エレベーターの省エネ化に関する補助金は、地方自治体や国の施策で支援があることがあります。例えば、建物のエネルギー効率向上に関する助成金を活用できる場合もあります。

新型業務用エアコンの導入

概要: 新型業務用エアコン(インバーター型、高効率モデル)は、従来型のエアコンに比べてエネルギー効率が大幅に向上しています。これにより、電力消費を抑えつつ、快適な室内温度を維持することができます。特に、オフィスビルや商業施設、飲食店などの大規模な施設でのエアコンの使用は電力消費が大きいため、高効率モデルに切り替えることは効果的な節電方法です。

初期投資額: 新型業務用エアコンの導入には、施設の規模やエアコンの設置台数によりますが、1台あたり10万円〜50万円程度のコストがかかることが一般的です。大規模施設の場合、複数台の設置が必要となり、総額で数百万円となることもあります。

節電効果: 新型業務用エアコンは、インバーター技術を搭載しており、従来型のエアコンに比べてエネルギー消費を最大で30%〜50%削減できる場合があります。これにより、冷暖房の電力使用量が大きく減少し、施設の運営コストを削減することができます。

損益分岐点(回収年数): 新型業務用エアコンの導入における回収年数は、施設の規模や使用頻度にもよりますが、通常は3〜5年程度で回収可能です。高効率モデルのエアコンは運転コストの削減効果が長期にわたって続くため、回収後も継続的な節電が期待できます。

補助金・助成金: 新型エアコンの導入には、自治体や国からの補助金や助成金が利用できる場合があります。たとえば、「省エネ設備導入促進補助金」や「エネルギー効率改善のための助成金」など、業務用の空調設備の省エネ化を支援するプログラムがあります。自治体や施設の規模により、支援内容は異なるため、事前に調査して活用すると良いでしょう。

空調・冷蔵設備の自動制御システム

概要: 空調や冷蔵設備の運転を自動で最適化するシステム(例:温度センサーを使った自動制御)を導入することで、必要以上にエネルギーを消費しないようにできます。特に多くの設備を使う商業施設や工場で、運転を効率的に管理できる点が有利です。

初期投資額: 自動制御システムの導入には、数十万円から数百万円の初期投資がかかります。導入するシステムや規模により異なりますが、大規模な施設であれば数百万円の投資が必要です。

節電効果: 自動制御システムにより、エネルギー使用を最適化できるため、10%~20%程度の節電効果が期待できます。設備が無駄に稼働しないように管理することで、効率的にエネルギーを消費できます。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は2~4年程度です。自動制御により運転時間が短縮されることで、早期に投資額を回収できる可能性があります。

補助金・助成金: 一部の自治体や国は、エネルギー管理の自動化に関する補助金や助成金を提供しています。これらの支援を活用することで、初期投資を軽減することが可能です。

業務用高効率ボイラーの導入

概要: 産業用の熱源として使用されるボイラーは、大きなエネルギー消費源です。高効率のボイラーや、熱回収型のボイラーを導入することで、エネルギー消費を大幅に削減することができます。特に、蒸気を利用した加熱や温水供給を行っている事業所に効果的です。

初期投資額: 高効率ボイラーの導入には数百万円から数千万円の初期投資が必要です。規模が大きければ、導入費用は増加します。

節電効果: 高効率ボイラーでは、従来型のものと比較して15%〜30%程度のエネルギー効率向上が見込まれます。特に、熱回収型ボイラーを利用することで、余った熱エネルギーを再利用でき、コスト削減が可能です。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は通常5~7年程度です。高効率ボイラーは長期間にわたって運転するため、長期的に見れば大きなコスト削減が期待できます。

補助金・助成金: 高効率ボイラーの導入に対しても、自治体のエネルギー効率改善事業に対する補助金や助成金が利用できる場合があります。特に、産業用施設や工場に向けた支援制度が存在します。

業務用熱ポンプの導入

概要: 業務用の熱ポンプは、空気中の熱を効率的に取り込んで冷暖房や温水供給に活用するための技術です。従来の冷暖房方式やボイラーに比べてエネルギー消費が少なく、効率的に運転できます。特に温水の供給を必要とする施設において、非常に有効な省エネ手法となります。

初期投資額: 熱ポンプシステムの導入には、数百万円から1000万円以上の初期投資が必要です。設置する施設の規模やシステムの種類によって異なります。

節電効果: 業務用熱ポンプは、従来型の冷暖房システムに比べてエネルギー効率が2倍以上高く、20%~50%程度のエネルギー削減が見込まれます。特に、冷暖房と温水供給を一括で管理できるため、トータルでのエネルギー効率が大きく向上します。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は4~6年程度です。長期的に運用すれば、初期投資額を回収でき、継続的なコスト削減が可能です。

補助金・助成金: 熱ポンプの導入には、エネルギー効率改善に向けた補助金や助成金が利用できる場合があります。自治体や国の支援制度を活用することで、導入コストの一部をカバーできます。

高効率ポンプの導入

概要: 高効率のポンプは、水処理や冷却システム、給水システムなどで使用されるポンプのエネルギー効率を改善する機器です。効率的なポンプを使用することで、エネルギー消費を抑えることができます。

初期投資額: 高効率ポンプの導入には、数十万円から数百万円の投資が必要です。システムの規模や種類によって異なります。

節電効果: 高効率ポンプを導入することで、最大で20%〜40%のエネルギー削減が見込まれます。特に多くのポンプが稼働している施設では、かなりの削減効果が期待できます。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は2〜4年程度です。ポンプが長時間稼働する施設では、投資回収が早期に可能です。

補助金・助成金: 高効率ポンプの導入に関しても、エネルギー効率化支援のための補助金や助成金を活用することができます。特に水処理業務や冷却システムでの導入に対する支援があります。

業務用サーマルストレージ(蓄熱システム)の導入

概要: サーマルストレージ(蓄熱システム)は、夜間の電力を利用して冷水を作り、昼間にその冷水を使って冷房を行うシステムです。これにより、昼間のピーク時に高い電力料金が発生するのを避け、安価な夜間電力を有効に利用できます。

初期投資額: 蓄熱システムの導入には数百万円から数千万円の初期投資が必要です。施設の規模や冷房の需要によって異なりますが、大規模施設では相当な投資額が必要になります。

節電効果: 蓄熱システムを導入することで、電力消費のピークをシフトし、夜間電力の安価な料金で冷房を行えるため、ピーク料金を大幅に削減できます。電力消費が20%~40%削減されることもあります。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は5~7年程度が目安です。蓄熱システムは長期的に運用することでコスト削減効果が高くなり、導入コストの回収が可能となります。

補助金・助成金: 近年、ピークシフトを促進するための補助金や助成金も増えてきており、特に大規模施設や高電力消費施設での導入には支援制度がある場合があります。

太陽光発電自家消費型システムの導入

概要: 自家消費型太陽光発電システムは、発電した電力を自社で消費し、余った電力を売電する方式です。自社で発電した電力をそのまま使用することで、外部から電力を購入する量を削減でき、電力料金の節約が可能になります。また、電力消費が多い施設では、日中に発電された電力を効率的に使用することができ、ピーク時の電力使用量を抑えることができます。

初期投資額: 太陽光発電システムの導入には、施設の規模や発電量に応じて、数百万円から数千万円程度の初期投資が必要です。一般的に1kWあたり20万円〜40万円程度の費用がかかり、例えば10kWのシステムを導入する場合、200万円〜400万円程度の初期投資がかかることが想定されます。

節電効果: 自家消費型の太陽光発電システムを導入することで、電力の購入量が大幅に削減されます。昼間のピーク時に発電した電力を使用することで、電力会社からの購入費用が削減でき、年間で20%〜40%程度の電力コスト削減が期待できます。さらに、余った電力を売電することもできるため、売電収入を得ることが可能です。

損益分岐点(回収年数): 太陽光発電システムの回収期間は、一般的に5〜8年程度(場合によっては10年以上)です。長期間にわたる節電効果と売電収益or自家消費による相殺により、十分に投資回収が可能となります。

補助金・助成金: 日本国内では、太陽光発電システムの導入に対する補助金や助成金が利用できる場合があります。例えば、政府や自治体が提供する「再生可能エネルギー導入促進事業」の補助金や、電力会社との協力プログラムによる助成金を活用することができます。これにより、初期投資の一部を軽減することが可能です。

バッテリーシステム(蓄電池)の導入

概要: 蓄電池システムを導入することで、発電した電力を蓄え、必要な時に使用することができます。これにより、ピーク時の電力消費を削減したり、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの利用効率を向上させたりすることができます。

初期投資額: 蓄電池システムの導入には数百万円から数千万円の初期投資が必要です。規模や蓄電容量に応じてコストが異なります。

節電効果: 蓄電池によるエネルギー使用のピークシフトにより、最大で20%〜40%の電力消費削減が見込まれます。特に昼間の太陽光発電を蓄電池に貯めて夜間に使用することで、コスト削減が可能です。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は5〜8年程度(場合によっては10年以上)です。長期的に安定した電力消費の管理が可能になります。

補助金・助成金: 蓄電池の導入に対する補助金や助成金が利用できる場合があります。特に再生可能エネルギーを活用する事業所に対する支援が多いです。

インバータ式空気圧縮機(エアコンプレッサー)の導入

概要: エアコンプレッサーは多くの工場や製造業、建設業などで使用されており、特にエネルギー消費が大きい機器です。インバータ式エアコンプレッサーを導入することで、必要な圧力を自動調整し、エネルギー効率を向上させることができます。

初期投資額: インバータ式エアコンプレッサーの導入には、数十万円から数百万円の初期投資が必要です。施設や業務の規模によって異なります。

節電効果: インバータ式エアコンプレッサーは、従来型に比べて30%〜50%程度のエネルギー削減が可能です。特に、高負荷の作業を多く行う施設では、その効果が顕著に表れます。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は3~5年程度が一般的です。エアコンプレッサーの運転時間が長い場合、早期に投資を回収することが可能です。

補助金・助成金: エアコンプレッサーの効率化に関する補助金や助成金も存在し、特に製造業や工場での導入に対して支援を受けられることがあります。

冷却塔の省エネ化

概要: 工場や商業施設の空調・冷却システムに使用される冷却塔は、大量の電力を消費します。冷却塔の省エネ化には、効率的な機器への更新や、運転制御の最適化が効果的です。新しい冷却塔は、冷却効率が高く、電力消費を抑えることができます。

初期投資額: 新しい冷却塔や効率的な冷却システムを導入するには数百万円から数千万円の初期投資が必要です。規模に応じて導入費用は異なります。

節電効果: 冷却塔の効率化により、エネルギー消費を10%〜30%削減できる場合があります。特に大規模な空調や冷却システムを持つ施設では、大きな節電効果が期待できます。

損益分岐点(回収年数): 回収期間は4~6年程度が目安です。冷却塔の効率化による電力消費削減効果は長期間にわたって続くため、長期的なコスト削減が可能です。

補助金・助成金: 冷却システムの効率化に関する補助金や助成金も存在するため、導入の際にはこれらを活用することが推奨されます。

建物の熱効率向上資材の導入

概要: 建物の熱効率を向上させるための資材の導入は、省エネルギー対策として非常に効果的です。これには、断熱材や高性能窓、熱遮断塗料、断熱ドアなど、建物の外装や内装に使用する資材が含まれます。これらの資材を適切に使用することで、冷暖房の効率を大幅に向上させ、室内の温度を快適に保ちながらエネルギー消費を削減できます。

断熱材の導入

概要: 高性能の断熱材(例:発泡ポリスチレン、ウレタンフォーム、グラスウールなど)を壁や天井、床に取り付けることで、室内の温度変化を抑制し、冷暖房の効率を高めます。これにより、外部の温度に関係なく室内温度を安定させ、エネルギー消費を減らすことができます。

効果: 断熱性を向上させることで、暖房や冷房の使用頻度が減少し、エネルギー消費が20%〜40%削減される場合があります。

高性能窓の導入

概要: 複層ガラスやLow-Eガラスを使用した高性能の窓を導入することで、熱の出入りを最小限に抑え、室内の温度を効率よく保つことができます。特に冬季の暖房費用や夏季の冷房費用を削減するのに効果的です。

効果: 高性能の窓により、暖房費用が最大で20%〜30%削減できる場合があります。これにより、季節を通じて温度管理が効率化されます。

断熱ドアの導入

概要: 外部の熱の影響を受けやすいドア部分に断熱性能の高いドアを導入することにより、冷暖房の効率を向上させます。特に出入口やガラス扉など、熱損失が大きい部分に効果的です。

効果: 断熱ドアにより、熱の流出を抑え、年間で10%〜15%のエネルギー削減が見込まれる場合があります。

熱遮断塗料の使用

概要: 建物の屋根や外壁に熱遮断塗料を塗ることで、太陽光や外部からの熱の侵入を抑え、冷房の負荷を軽減します。これにより、夏季の冷房使用量を削減し、エネルギー効率を向上させることができます。

効果: 熱遮断塗料の使用により、冷房費用が15%〜20%程度削減される場合があります

初期投資額と回収年数

初期投資額: 断熱材の導入には、規模や使用する資材の種類によって数十万円から数百万円が必要となる場合があります。特に大規模な建物の場合、コストは高くなる傾向にありますが、長期的なエネルギー削減効果が期待できます。

節電効果: 断熱性能が向上することで、冷暖房にかかるエネルギー消費が20%〜40%削減されることが一般的です。これにより、長期的に見ると大きなコスト削減が実現できます。

損益分岐点(回収年数): 回収年数は、施設の規模や既存のエネルギー使用状況により異なりますが、通常は5〜7年程度で回収可能です。特に冷暖房のエネルギー消費が大きい施設では、短期間で回収できる可能性があります。

補助金・助成金

利用可能な補助金・助成金: 建物の熱効率向上のための資材導入に対して、自治体や国からの補助金や助成金が活用できる場合があります。例えば、断熱改修に対する補助金やエネルギー効率向上のための支援がある場合もあります。これにより、初期投資の一部を補助してもらえる可能性があります

: 省エネルギー性能向上のための補助金プログラムや、住宅改修支援助成金など、地域や事業のタイプに応じた支援が提供されていることがあります。

まとめ

 建物の熱効率向上資材を導入することで、冷暖房によるエネルギー消費を大幅に削減できます。特に長期間にわたる節電効果が期待できるため、初期投資額は高くても、回収期間が短く、長期的には大きなコスト削減が可能です。また、補助金や助成金を活用することで、導入コストを軽減できるため、さらに有利に導入を進めることができます。

【損益分岐点】平均回収年数ランキング!!

この表では、各項目でご紹介した損益分岐点(回収年数)の概算額平均値をランキング表にしてわかりやすくしました!

省エネ手法平均回収年数
LED照明の導入2
エネルギー管理システム(EMS)の導入2
業務用冷蔵庫・冷凍庫の導入3
自動照明制御システムの導入3
圧縮空気システムの効率化3
高効率給湯システム(ヒートポンプ給湯器)4
新型業務用エアコンの導入4
高効率ポンプの導入4
高効率空調システム4
冷却塔の省エネ化5
業務用高効率ボイラーの導入5
バッテリーシステム(蓄電池)の導入5
業務用熱ポンプの導入5
建物の熱効率向上資材の導入5
業務用サーマルストレージ(蓄熱システム)の導入6
太陽光発電自家消費型システムの導入7

【5段階評価】低コストな設備ランキング!!

この表では、コストランクが1が最も低コスト、5が最も高コストな導入方法として表しています。コストを重視し、より低コストで導入可能な手法を選択する際に参考になればとの思いで作成しました。

省エネ手法コストランク(1=低, 5=高)
LED照明の導入1
エネルギー管理システム(EMS)の導入1
圧縮空気システムの効率化2
自動照明制御システムの導入2
業務用冷蔵庫・冷凍庫の導入2
高効率給湯システム(ヒートポンプ給湯器)2
高効率ポンプの導入2
新型業務用エアコンの導入3
高効率空調システム4
冷却塔の省エネ化4
業務用高効率ボイラーの導入4
バッテリーシステム(蓄電池)の導入4
業務用熱ポンプの導入4
建物の熱効率向上資材の導入4
業務用サーマルストレージ(蓄熱システム)の導入5
太陽光発電自家消費型システムの導入5

おわりに

 以上の省エネ手法(投資編)は、それぞれ高い効果が期待できるものの、初期投資が大きい場合が多いため、施設の現状と投資額をよく照らし合わせて、損益分岐点を計算し、計画的に選択することが重要です。各手法の回収年数を確認し、補助金や助成金を活用すれば、導入コストを軽減できます。最適な省エネ対策を選ぶことで、長期的なコスト削減と効率化を実現できます。妥当な投資判断を行い、効果的な改善を進めていただければ幸いです。 

 何か気になったことがございましたら、お気軽にお問い合わせください! もし、現状をいろいろとお話しいただけましたら、優先順位や各種法の合う合わないなどがおのずと見えてくるかと思います!

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